「みんなスゴいな、自分はなにやってるんだろう。」
「何でもかんでも引き受けちゃうから、自分の仕事が進まない。」
「あの人たち、きっと自分の悪口を言ってるんだ。」
あなたはこのような心のモヤモヤを抱えていませんか?
今回は、アドラー心理学の3つのキーワードから、心の自由を手に入れるためのヒントを紹介します。
3つのキーワードは、「劣等感」「課題の分離」「意味づけ」です。それぞれどんな意味なのか、みていきましょう。
オーストリア出身の精神科医、心理学者のアルフレッド・アドラーが提唱した心理学。
アドラーの考え方は、後の心理学に大きな影響を与え、自己啓発の源流の1つとなりました。
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- まんがで身につく アドラー 明日を変える心理学 | 鈴木 義也 (著), 緒方 京子 (イラスト)
劣等感から解放されよう

人はなぜ劣等感を感じるのか
子どもの頃って、わからないことやできないことばかりですよね。
心も体も未熟で、親より劣った立場からスタートする。だから、人はもともと劣等感にかられやすい性質があるのだそうです。
家ではいつもお兄ちゃん・お姉ちゃんと比べられ、学校では運動が得意な子がモテるし、勉強ができる子がチヤホヤされます。
「お兄ちゃんはもっとできてたのに。」
「自分は運動も勉強も得意じゃないし…。」
このように、人は小さいときから他人と比べることで、さまざまな劣等感を抱いていきます。
劣等感は主観的なもの
でも、劣等感とはあくまで主観的なものです。
あなたが人より劣っていると感じていることは、必ずしも客観的な事実を示すものではありません。
つまり、「そう思っているのはあなただけ」かもしれないということ。
ただ自分がそう感じているだけで、人から見ればたいしたことではないのかもしれません。
人と比べないこと
人には得意・不得意があって当たり前。完璧な人間なんて存在しないです。
何でもデキるように見える人でも苦手なことがあります。どんなにスゴく見える人でも負けることがあります。いつも勝ちつづけることなんてできないです。
人はみんな得意なこともあれば苦手なこともある。勝つこともあれば負けることもある。だから、そもそも人と比べてもしょうがないんです。
人と比べることから抜け出すには、比べなくても価値のある自分に気づくこと。あなたはあなたらしく。自分が好きなこと、得意なことにフォーカスしましょう。
課題の分離をしよう

頼まれると断れない…
人に頼まれたら断れなくて、ついついOKしてしまう自分。本当はやらなきゃいけないこともたくさんあるのに…。
責任感が強くてマジメな人ほど、何か頼まれたときに断れなくて引き受けてしまう傾向があるようです。
でも、人のお願いばかり聞いていたら、自分のことをやる時間がどんどん減ってしまってしまいますよね。
「自分は一体誰のために生きているんだろう…?」
こんな状態では、ストレスはたまっていく一方です。
それは誰の課題なのか
本当はあなたがやらなきゃいけないことじゃないのに、「わたしがやらなきゃ。」「わたしががんばんなきゃ。」ってなっていませんか?
「わたしがやらなきゃいけない」というのは、案外本人が思い込んでいるだけかもしれません。
自分の責任と人の責任を仕分けすることを、アドラー心理学では「課題の分離」と呼んでいます。課題の分離ができていないと、人の責任を背負い込む犠牲者になってしまいます。
それは本当に自分が引き受けなきゃいけないことなのか、誰の責任で誰がやるべきことなのか、いま一度考えてみましょう。
自分のやるべきことと、人のやるべきことをごちゃ混ぜにしていませんか?
自分で道を選ぼう
他人と自分の課題の線引きができたら、あとはひたすら自分の課題にフォーカスすること。
断るのにはちょっと勇気がいるかもしれませんが、「言ってみたら以外と何ともなかった。」なんてこともよくあることです。
自分で道を選ぶか、人の選んだ道に進むか、どちらを選ぶかはあなた次第です。
幸せをもたらす意味づけにかえよう

意味づけとは
私たちは現実をありのままに見ているわけではありません。実は、自分の主観に基づいた、自分色のレンズを通して見ています。
そのレンズのことを、アドラー心理学では「意味づけ」と言います。
アドラーによれば、人生についての意味づけは子どもの頃に形成されるそうです。
幼いころからコンタクトがついていたら、レンズを通して見ている世界が当たり前になってしまいますよね。
人は意味付けに沿って物事を見る
職場や学校の教室で、自分の方をチラチラ見ながら話している人たちがいるとします。
もしあなたが「自分はダメだ」と意味づけしているとしたら、「あの人たち、わたしの文句や悪口を言っているに違いない。」と感じるかもしれません。
では、「自分は誰かの役に立っている」と意味づけしている人なら、同じ状況にいるとき、どう感じるでしょうか?
きっと「自分は悪口を言われている」とは思わないはずです。
このように全く同じ状況に置かれた場合でも、感じ方は人それぞれ違います。人は自分の意味づけに沿って物事を見ているからです。
もしあなたの意味づけがネガティブなものであれば、きっと幸せな世界はなかなか見えづらいでしょう。
幸せをもたらす意味づけをしよう
意味づけは変えていくことができます。では、幸せをもたらす、より良い意味づけに変えていくにはどうすればいいのでしょうか。
まずは、自分のレンズの色を知ることからです。そのためには、「自分は自分のことをどう思っているか」を自問してみることが重要だといいます。
「自分はダメだ」というようなネガティブな意味づけをしていませんか?
「自分は役に立っている」というようなポジティブな意味づけに変えてみたら、世界がまったく違うように見えてくるでしょう。
人間関係に疲れてしまった男女7名のストーリーを通じて、アドラー心理学の8つの教えをわかりやすく伝えてくれる本です。