「将来年金だけじゃ暮らせなくなるって聞いたんだけど…。」
「どうやって老後資金をつくればいいの⁈」
ちょっと前の話(2019年)ですが、金融庁が「老後は年金のほかに2,000万円が必要」という発表をして話題になりましたよね。
「2,000万円もどうやってつくればいいんだろう…。」
多くの人が老後資金に関して不安になっていることかと思います。そこで今回は、老後資金2,000万円をつくり出す方法を紹介します。
ちなみに、2,000万円というのは、平均的な支出(月26万円)をもとに算出された数字です。
実際に必要な金額は、ライフスタイルや寿命によって人それぞれ違います。
つみたてNISAとiDeCoを活用しないのはもったいない

年間100万円ずつ貯金して、20年かけてやっと2,000万円。貯金だけで老後資金を確保するのはかなり大変ですよね。
退職金だって今まで通りちゃんともらえるかはわかりません。
つまり何が言いたいかというと、老後のためには「資産運用を真剣に考えなければいけない」ということです。
資産運用をするうえで、ぜひ活用したいのが「つみたてNISA(ニーサ)」と「iDeCO(イデコ)」です。
「つみたてNISAってなに?」「iDeCoって?」という人のために、それぞれの制度について簡単に説明します。
つみたてNISA(ニーサ)とは?
つみたてNISAは、年間40万円までの投資に対する利益が、20年間非課税になるという制度です。
通常、お金を運用して得た利益には約20%の税金がかかります。でも、NISAを利用すればその分に税金がかかりません。
投資の対象となる商品は、金融庁に認められた投資信託とETF(上場投資信託)のみ。あやしい商品などはあらかじめ除外されています。
iDeCo(イデコ)とは?
iDeCoは、個人型確定拠出年金といわれる私的年金制度です。
年間14.4万円〜81.6万円までの投資に対する利益が非課税になります。掛金の上限は、職業やほかの年金への加入状況により異なります。
掛金全額が所得控除の対象となるので、節税にもなるのがポイントです。
なお、60歳になるまでは原則お金を引き出すことはできません。
つみたてNISA | iDeCo | |
---|---|---|
利用できる人 | 20歳以上 (日本在住) | 20歳以上60歳未満 (日本在住) |
投資上限 | 40万円/年 | 14.4万円〜81.6万円/年 |
対象商品 | 投資信託、ETF | 定期預金、保険、投資信託 |
運用期間 | 20年間 | 60歳まで |
引き出し | 可 | 60歳まで不可 |
投資に対する利益に税金がかからない
つみたてNISAとiDeCoの最大のメリットは、何と言っても「儲かっても税金を払わなくていい」という点です。
例えば、投資で1,000万円の利益が出たとします。通常であれば約20%、つまり200万円が税金としてかかります。
でも、これらの制度を利用して得た利益には税金がかかりません。つまり、1,000万円がそのまま手元に残るのです。その違いは大きすぎますよね…。
「1,000万円なんて金額、デカすぎてイメージできない。」という人は、次のシミュレーションをみてください。
老後資金シミュレーション【つみたてNISA+iDeCo】

つみたてNISAとiDeCoを活用することで、実際どのくらいの老後資金を確保できるのか、気になるところですよね。
今回は、35歳会社員のケースを想定して、最終的な積立金額がいくらになるかシミュレーションしてみます。
年利は5%(=年間5%の利益)で計算します。これは、インデックスファンドの平均利回りが4〜6%といわれているためです(インデックスファンドについては後ほど説明します)。
計算にはこちらのツールを使用しました☟
資産運用シミュレーション|金融庁
- 掛金:毎月3万円
- 運用期間:20年(上限)
最終積立金額 ➜ 1,233万円
(元本:720万円、運用収益:513万円)
- 掛金:毎月2万円
- 運用期間:25年(60歳まで)
最終積立金額 ➜ 1,191万円
(元本:600万円、運用収益:591万円)
- つみたてNISA:1,233万円
- iDeCo:1,191万円
合計積立金額 ➜ 2,424万円
(元本:1,320万円、運用収益:1,104万円)
2,000万円以上を確保することは可能
シミュレーション上では、つみたてNISAとiDeCoの合計積立金額は、2,424万円になりました。
このときの運用収益は、1,000万円を超えています。1,000万円は現実的な数字であることがわかりますよね。
ちなみに年利4%で計算しても、2,128万円。2,000万円を余裕で超えることができます。
毎月の掛金は、つみたてNISAとiDeCoを合わせて5万円なので、十分可能な額なのではないでしょうか。
今回のシミュレーションは、35歳で始めた場合です。開始する年齢によっては、2,000万円を確保するのは難しいかもしれません。
でも逆に言えば、もっと若いときから始めたらさらに余裕が出てきますよね。
つみたてNISA&iDeCoでなにを買えばいいの?

きっと多くの人が知りたいのは、「じゃあ、一体なにを買えばいいの?」というところですよね。
つみたてNISAの対象となるのは、金融庁が認めた商品だけなのですが、それでも200近くもあります。
ということで、ここからは商品の選び方を紹介します。
商品を選ぶときのポイントは3つ
商品を選ぶときに押さえておきたいポイントが次の3つです。
- インデックスファンドを選ぶ
- 米国株・国際株を選ぶ
- 手数料が安いものを選ぶ
まずは、インデックスファンドの中から選びましょう。
インデックスファンドとは、「日経平均」や「NYダウ」などの株価指数に連動する商品です。
インデックスファンドは、個別の銘柄に投資するアクティブファンドよりも運用成績がいいことがわかっています。
インデックスファンドの中でも、日本以外の株価指数に連動するものがいいと思います。
なぜなら、日本は将来的に人口が減っていき、経済が縮小するとみられているからです。
世界全体をみれば人口は増え続け、それに伴って経済も拡大していくことが予想されています。また、アメリカの人口も増え続けていくと言われています。
経済成長を決めるのは人口だけではありませんが、重要なポイントであるのは間違いないです。
手数料(信託報酬)が安いものを選ぶというのも重要なポイントです。
インデックスファンドの平均年利は、4〜6%と言われています。手数料0.1%と1%ではリターンに大きな差が出てきますよね。
インデックスファンドの手数料は低めに設定されていますが、それでも商品によって結構な違いがあります。
3つのポイントから浮き上がってきた商品
以上の3つのポイントから選ぶといくつかの候補が浮かび上がってきます。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
これらの商品の信託報酬はいずれも0.1%程度です。
アメリカの代表的な株価指数「S&P500」に連動する商品。
S&P500とは、ニューヨーク証券取引所などに上場している会社の中から選ばれた500社の株価をもとに算出される株価指数です。
S&P500を構成する銘柄トップ10には、「アップル」「マイクロソフト」「アマゾン」「フェイスブック」「アルファベット(グーグル)」など、超有力企業が並びます(2020年12月31日時点)。
この2つは、「MSCIコクサイ・インデックス」という指数に連動する商品です。
MSCIコクサイ・インデックスは、先進国23か国から日本を除く22か国で構成されています。
国別の構成比では、市場規模の大きいアメリカが70%以上を占め、次にイギリス、フランスの順です(2020年12月31日時点)。
世界の株式を対象とした指数「MSCI ACWI インデックス(日本を除く)」に連動する商品。
日本を除く先進国と新興国の株式が投資対象になっています。
以上、今回のテーマは「老後資金をつくり出す方法」でした。
もちろん「必ずつくれる」というものではありません。でも、何もせずにいたら一生働かなくてはいけなくなってしまうかもしれません・・・
お金に悩まされずにハッピーな老後を迎えるか、それともお金に余裕がなくツラい老後を迎えるか。
みなさんの幸せな老後を願っています。
参考書籍
参考サイト
- 「高齢社会における資産形成・管理」|金融庁
- つみたてNISA : 金融庁
- イデコ公式サイト|個人型確定拠出年金iDeCo【公式】
- S&P 500® – S&P Dow Jones Indices – S&P Global
- MSCI Kokusai Index
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