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【簡単】消費税はなぜ上がる?何に使われている?わかりやすく解説

「消費税ってなぜ上がるの?」「消費税ってなにに使われてるの?」

なにか買いものをすると10%(一部8%)の消費税をとられますよね。

「消費税はかかるもの」と思っているので、普段はあまり意識することはないのですが、先日ふと思いました。

「消費税ってなにに使われるんだろう?」って。そしてもうひとつ、「消費税ってまだまだ上がるの?」と。

今回のテーマは「消費税」。消費税はなぜ上がるのか、消費税はなにに使われているのか、みていきましょう。

消費税はなぜ上がるの?

消費税がはじめて導入されたのは1989年のこと。そのときの税率は3%でした。その後1997年に3%⇒5%、2014年に5%⇒8%、2019年に8%⇒10%に引き上げられました。

なぜ消費税はこのように上がるのでしょうか。

それは、国の借金が増え続け、社会保障(年金や医療、介護、子育てなど)にかかるお金が足りないからです。

高齢化で社会保障費が増大している

1990年度の歳出(国の支出)をみると、社会保障にかかるお金は約12兆円でした。その後、高齢化とともに社会保障費が増大し、2020年度では約36兆円もかかっています。

つまり、消費税がはじまった頃に比べて、社会保障費が約3倍もふくれ上がったことになります。それに加え、返さなければいけない借金の額も増え続けています。

このように支出は伸び続ける一方で、税金などの収入は当時からあまり増えていません(1990年度:61兆円⇒2020年度:70兆円)。

なので、大きく広がっていく支出と収入の差額は、借金で穴埋めするしかないのです。

国の支出の1/3を借金でカバーしている

2020年度の国の予算をみてみると、歳出が約103兆円になっています。そして、歳入の約1/3にあたる33兆円が公債金でカバーされています。公債金とは、つまり「借金」のことです。

これがどういうことかと言うと、消費税が10%になったところで「まだまだ全然お金が足りてない」ということ。毎年とてつもない額の借金をしてなんとかやりくりしているのが日本の現状です。

画像出典:財務省
画像出典:財務省
借金残高は国民1人あたり約743万円

財務省の資料によると、2020年度末の借金残高は932兆円に上ると予想されています。これは、国民1人あたり約743万円の借金を抱えている計算になります。

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ほかの国の消費税はどれくらい?

日本の消費税は10%だけど、ほかの国の消費税は何パーセントくらいなのでしょうか。

日本は外国と比べて消費税が高い?それとも低い?他国の消費税率をみていきましょう。

おもな先進国の消費税率

「G7」といわれる7つのおもな先進国(アメリカ・イギリス・イタリア・カナダ・ドイツ・日本・フランス)の消費税率をみてみると、20%前後の国が多いようです。

日本の税率は、ほかの先進国と比べるとかなり低いことがわかりますね。

  • イタリア:22%
  • イギリス、フランス:20%
  • ドイツ:19%

*アメリカとカナダは州ごとに税率が異なるので、ここでは省略します。

ヨーロッパ諸国の消費税率

ヨーロッパ諸国の消費税率は20%を超えるところが多く、全体として高めです。

特に、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーなど北欧諸国の税率の高さが目立ちます。これらの国では税金が高い分、社会福祉が充実しています。

例えば、デンマークでは医療費はタダ。教育費も幼稚園から大学までタダなんだそうです。

  • スウェーデン、デンマーク、ノルウェー:25%
  • ギリシャ、フィンランド:24%
  • ポルトガル:23%
  • オランダ、スペイン:21%
  • スイス:7.7%

アジア・オセアニア諸国の消費税率

アジア諸国の消費税はどうでしょうか。中国は13%で日本より高く、韓国は日本と同じ10%、台湾は5%です。

日本を含むアジア諸国の税率は、ヨーロッパ諸国に比べると全体的に低い傾向にありますね。

  • 中国:13%
  • オーストラリア、韓国、タイ、ベトナム:10%
  • シンガポール:7%
  • 台湾:5%

消費税はなにに使われるの?

では、10%の消費税は具体的になにに使われているのでしょうか。消費税の使いみちをみていきましょう。

消費税は税収の中でもっとも多い

まず、国は消費税によってどれくらいの収入を得ているのか。

消費税の税収は、2020年度予算で約22兆円。これは国の全収入の約2割にあたります。

国の税収は、おもに消費税と所得税、法人税から成り立っていますが、消費税はその中でもっとも多くの部分を占めます。

画像出典:財務省
  • 消費税:約22兆円
  • 所得税:約20兆円
  • 法人税:約12兆円
消費税は国税と地方税に分かれている

消費税とは、国税と地方税を合わせたもの。10%のうち、7.8%が国税、2.2%が地方税(地方消費税)です。

2020年度予算の約22兆円は、国税(7.8%)の部分のみの値です。

消費税の使いみちは?

では、その22兆円はなにに使われているのでしょうか。

2020年度予算をみてみると、22兆円のうちの約2割にあたる4兆円が「地方交付税」として、地方自治体に配られているようです。

地方交付税とは

地方交付税とは、どこでも一定のサービス水準が維持されるように、国が調整して各都道府県や市区町村へ配るお金のこと。

4つの社会保障費に使われる

そして、残りの約18兆円はすべて「年金」「医療」「介護」「子育て」の4つの社会保障費にあてられます。

実際に、2019年10月から幼稚園などの利用料が無料になったり、2020年4月から大学などの授業料・入学金のサポートがはじまりました。

それらは消費税の増税分(8%⇒10%)によって実現したものです。

つまり消費税は、「より子育てのしやすい環境づくり」や「女性・高齢者も働きやすい環境づくり」、「より安心な老後」のために使われているんですね。

高齢化によりこれからも社会保障費が増え続けていく現状や、国の苦しい借金事情、ほかの先進国の税率などを踏まえると、消費税は今後も上がり続けていくものと考えた方がいいかもしれません。

参考サイト

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