「選挙になると“東京○区”とか、“比例代表”っていう言葉が出てくるけど、それってどういうこと?」
「投票用紙に候補者名を記入するものと、政党名を記入するもの、それぞれの違いはなに?」
今回のテーマは、誰でもわかる「選挙のしくみ」。
国会議員はどのような方法で選ばれているのでしょうか。これをみておけば、選挙制度のキホンがわかります。
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選挙区制と比例代表制

選挙制度は大きく選挙区制と比例代表制に分けられます。衆議院選挙と参議院選挙、どちらもこの2つの制度を組み合わせて実施されています。
選挙区制とは
選挙区制は、投票用紙に候補者名を書いて投票する制度です。
選挙区ごとに、より多くの票を集めた人が代表者として選ばれる、というわかりやすい仕組みです。
1つの選挙区から代表者を1人だけ決めるのを「小選挙区選挙」、1つの選挙区から2人以上の代表者を決めるのを「大選挙区選挙」といいます。
比例代表制とは
比例代表制は、原則として投票用紙に政党名を書いて投票する制度です。
政党ごとの得票数を「ドント方式」という計算方式に当てはめて、政党ごとの議席数を決めていきます。そこから代表者を決める方法は、衆議院と参議院で異なります。
選挙区制に比べ、小さな政党からも代表者を出しやすいのが特徴です。
衆議院選挙と参議院選挙
衆議院と参議院では、代表者の選び方が異なります。
衆議院選挙のしくみ
衆議院の任期は4年です。解散があるため、実際には任期満了を迎える前に選挙が行われることが多いです。
衆議院選挙は、議員総入れ替えのため「総選挙」といわれます。なお、衆議院の選挙制度は、「小選挙区比例代表並立制」です。
465人の衆議院議員のうち、約6割の289人を小選挙区制で選びます。
全国を289の選挙区に分け、1つの選挙区から1人の代表者を決めます。代表者になれるのは、各選挙区で一番多くの票を集めた候補者のみです。
残りの176人を比例代表制で選びます。全国を11のブロックに分け、各ブロックごとに決められた定数の代表者を決めます。
まず得票数をもとに、政党ごとの議席数が決められます。そして、各政党の候補者名簿の上位から順に当選者が選ばれていきます。
例えば、得票数により、○○ブロックで○○党が2議席確保したとします。そしたら、その政党の候補者名簿の上位2名が当選になります。
なお、衆議院選挙は小選挙区と比例代表の重複立候補が可能です。なので、小選挙区で落選した候補者が比例代表で復活当選することもあります。
参議院選挙のしくみ
参議院の任期は6年です。衆議院と違って解散がなく、選挙は3年ごとに半数を入れ替える形で行われます。
参議院選挙は、3年に1度必ず行われるため「通常選挙」といわれます。なお、参議院の選挙制度は、「選挙区制」と「比例代表制」です。
参議院議員248人(2022年の通常選挙から)のうち、148人を選挙区制で選びます。半数ごとに入れ替えなので、1回の選挙で74人の代表者を決めます。
代表者に選ばれるのは、原則として各都道府県から1人ずつです。ただし、人口に応じて当選者の数が調整されています(例えば、東京は6人など)。
残りの100人を比例代表制で選びます(1回の選挙では50人)。
選挙区はなく全国で1区です。選挙の投票用紙には、政党名または候補者名を記入します。
政党名と候補者名で書かれた票の数の合計が、その政党の得票数となります。その数をもとに政党ごとの議席数が決められたら、候補者名で書かれた票を多く集めた人から順に当選していきます。
なお、衆議院と違って選挙区との重複立候補はできません。
マニフェストとは?

選挙になると「マニフェスト」という言葉をよく聞きますよね。マニフェストってなんのこと?
マニフェストは政権公約
マニフェストとは、政権公約のこと。つまり、「もし選ばれたら、私たちはこんな政策を実現します!」という約束のことです。
マニフェストには、「なにを」「いつまでに」「どれくらい」やるかが具体的に示されています。
「公約」という言葉が、「どうせ守られないもの」というイメージがついていたため、マニフェストという言葉が使われるようになったようです。
参考書籍
中学受験の社会科のカリスマ講師が書いた、政治「学び直し」の本です。
憲法・国会・内閣・選挙・裁判所など、政治のしくみをわかりやすく解説してくれています。
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