ニュースでよく耳にする「総裁」という言葉。
言葉自体は知っていても、「総理」と混同していたり、ハッキリとはよく分からないという人も多いのではないでしょうか。
今回のテーマは「総裁」。総裁選のしくみについて分かりやすく簡単に解説します。
総裁=自民党のリーダー
「総裁って総理のことでしょ?」と思っている人も少なくないのではないでしょうか。
総裁とは、自由民主党(自民党)の党首、つまり自民党のリーダーのことです。
なので、総裁というのはあくまで自民党内の役職名であって、「総裁=総理」というわけではありません。
とは言っても、自民党のリーダーが総理になるケースが多いのも事実です。
総裁が総理になるケースが多い
総理大臣は、国会議員による投票によって選ばれます。
なので通常は、政権与党* のなかでもっとも多くの議席を持つ(=仲間が多い)政党の党首が選ばれることになります。
自民党がその「もっとも多くの議席を持つ」政党であることが多いので、総裁が総理になるケースが多いというわけです。
実際に歴代の総裁25人のうち、23人が総理になっています(2021年8月時点)。
*政権を担当している党のこと。(⇔野党)
総裁選のしくみ
「総裁選」とは、総裁を選ぶ選挙のこと。つまり、自民党のリーダーは、党員たちの投票によって決まるということですね。
ちなみに、候補者が1人だけの場合は投票は行われず、その候補者が総裁に選ばれます。
では、総裁の候補者になれるのはどんな人なのでしょうか。
総裁の任期は3年。連続で3期(9年)まで勤めることができます。
候補者になるには?
総裁選の候補者になるためには、自民党所属の国会議員20名の推薦が必要です。
なので、「はい、立候補します」と手を上げれば候補者になれるというものではなく、まずは仲間を20人集めるところからスタートというわけです。
総裁は「議員票」と「党員票」で決まる

総裁選は、党所属の国会議員による投票(議員投票)と、全国の党員たちによる投票(党員投票)によって行われます。
議員票は1人1票、党員票は議員票と同じ数の票が割り当てられます。
2021年9月の総裁選では、党所属の国会議員が383人なので、議員票は383票に。それと同じ数の383票が党員票として割り当てられます。
☞ 議員票と党員票の合計766票で争われる

過半数を獲得した候補者が当選
開票の結果、議員票と党員票を合計した数の過半数を獲得した候補者が当選になります。
過半数を獲得した候補者がいないときは、上位2名による決選投票が行われ、より多くの票を獲得したほうが総裁に選ばれます。

総裁選の仕組み|自由民主党
