「人生は100年以上続きます。」
これを聞いたとき、あなたは何を思いますか?
ある海外の研究では「2007年に生まれた日本人の約半数が107歳より長く生きる」というデータが示されています。
医療技術の進歩や健康への理解が進み、これからは100年以上生きることが当たり前の時代に。
今回のテーマは、そんな “人生100年時代” をどう生きていくかです。
参考書籍
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)|リンダ グラットン (著), アンドリュー スコット (著), 池村 千秋 (翻訳)
「3ステージ」から「マルチステージ」の人生へ
これまで人生は「教育」「仕事」「引退」、3つのステージで成り立っていました。
20歳前後まで教育を受け、そこから就職して60歳前後まで働き、引退後は年金をもらいつつ余生を楽しむ。多くの人がこのような人生設計をイメージしているのではないでしょうか。

でも、このような3ステージの生き方はもはや過去のものに・・・。
「3ステージ」の生き方は終わりを迎える
人生が100年以上続くとしたら、60歳前後で引退して年金で暮らすという生活パターンが成り立たなくなります。
なぜなら “引退後” も40年以上人生が続くことになるからです。そんなに長い期間、年金だけで生活するのは到底厳しく、これからは70〜80歳代まで働き続けることが求められるように。
そんな100年時代では、これまでの3ステージの人生プランから新たな生き方にシフトしていく必要があると、LIFE SHIFTの著者はいいます。
100年時代の新しい生き方、それは「マルチステージ」を生きる人生です。
多様な人生を生きる「マルチステージ」へ
マルチステージとは、多様な人生を生きるということ。
つまり、年齢で区切ることなく、転職や起業・学び直し・長期休暇・再就職・ボランティア活動など、長い人生の中でさまざなステージを生きていくということです。

誰もが同じような人生パターンを歩む時代は終わり、一人一人が自分なりの人生を選択していく時代に。
さまざまなステージを経験し、新たな視野や能力を身につけ、人とのつながりを広げていく。そうすることで、長い人生をいつまでも若々しく、そして “自分らしく” 生きていくことができるのだといいます。
100年時代を生き抜くために大切なこと

マルチステージを生きていくうえで大切なことは、いかに “無形資産” を築いていくかということ。
無形資産とは、お金やマイホームのような “目に見える” 資産ではなく、友人・家族との関係や健康など “目に見えない” 資産のことです。
無形資産は、大きく分けて3つあるといいます。
- 生産性資産
- 活力資産
- 変身資産
生産性資産:稼ぐためのスキル
生産性資産とは、稼ぐためのスキルや知識、仲間、ネットワークのこと。
日本ではこれまで、1つの会社でキャリアを積んでいくという働き方が一般的でした。でも、今や大企業でも倒産する時代。「この会社で働いていれば将来は安泰。」なんて、もはやどの会社にも当てはまりません。
さらに今後は、多くの仕事がAIなどのテクノロジーに取って代わってしまうことも指摘されています。
だからこそ、会社や仕事が変わっても稼いでいけるように、新しいスキルや知識を身につけていくこと、信頼できる仲間とのネットワークを作り上げていくことが重要なのだといいます。
活力資産:心と体の健康
活力資産とは、心と体の健康のこと。
寿命が延びるとは言っても、誰もが健康に長生きできるとは限りません。長寿化に伴い、健康の価値はますます高まるばかりです。
仕事の時間と家族と過ごす時間は、人生の中でもより大きなウェイトを占めることになります。だからこそ、仕事や家族のストレスはあなたの健康に大きな影響を与えることに。
心身の健康を保つためには、バランスの取れた食事や規則正しい生活を心掛けること。そして、家族や友人と良い関係を築いていくことが大切なのだといいます。
変身資産:変化していく力
変身資産とは、社会の変化に柔軟に対応し、自分を変えていく力のこと。
100年時代では働き方が大きく変わっていきます。働き方が変われば、当然のことながら家庭生活も大きく変わることに。
結婚の時期や夫婦の役割分担、子どもをつくるタイミングなど、人生のすべてが変わっていく。そんな時代を生き抜くために必要なのが、固定観念にとらわれることなく、変化に対応し自分を変えていく力。
積極的に新しい経験をしていくこと、自分とは異なる価値観を持つ人たちと接していくこと。そうすることで、変化への対応力が養われ、新しいステージへの移行を成功させることができるようになるのだといいます。
参考書籍
本書では、エクスプローラー、インディペンデント・プロデューサー、ポートフォリオ・ワーカーという、100年時代の新たなステージが紹介されています。
人生100年時代をどう生きていけばいいのか、長寿化を恩恵にするためにどのように人生を築くべきか。そのヒントが見つかる本です。
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