「卵はコレステロールが多いから、1日1個くらいにしたほうがいい。」
どこかで耳にしたことがあるこの話、果たして本当なのでしょうか。
近年の研究で、食べ物から摂るコレステロールの量と血中のコレステロールの値にはあまり関係がないことがわかってきています。
コレステロールは体内でもつくられる
コレステロールは食べ物から摂取するほか、体内(肝臓)でもつくられます。
食べ物から体内に取り込まれるのは、食品に含まれるコレステロールのうちの40〜60%。
一方、肝臓で合成されるコレステロールの量は、食べ物から摂取する量の3〜7倍にもなると言われています。
肝臓には体内のコレステロールを一定に保つ働きがあり、食べ物から多く摂取すると合成する量を減らし、摂取する量が少ないとより多く合成します。
つまり、食べ物に含まれるコレステロールが体内のコレステロール値にそのまま影響するわけではないということです。
コレステロールの摂取制限は撤廃
厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2015年版)」より、コレステロールの摂取上限を撤廃しました。
「卵は1日1個まで!」というルールに縛られる必要はありませんが、摂りすぎるとバランスに悪影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。
参考文献
- 一生役立つ きちんとわかる栄養学|飯田薫子(監修)寺本あい(監修)・西東社
- 日本人の食事摂取基準|厚生労働省
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