「最近 SDGs という言葉をよく見たり聞いたりするけど、何のこと?そもそもどうやって読むの?」
「SDGs」という言葉、ニュースや会社のホームページなどいろいろな場面で出てきますよね。でも何のことかさっぱりわからない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、SDGsについて誰でもわかるようにやさしく解説します。
SDGsってなに?

SDGsとは、英語の「Sustainable Development Goals(サステナブル・ディベロップメント・ゴールズ)」の略です。読み方は、アルファベットをそのまま読んで「エスディージーズ」と読みます。
(・・・サステナブル??英語で言われてもさっぱりわかりません。)
サステナブル・ディベロップメント…??
サステナブル・ディベロップメント・ゴールズと言われても、「エッ、何のこと?」という感じですよね。「ゴール」は何となくわかるけど。
英語のsustainableは「持続可能な」、developmentは「開発」、goalsは「目標」という意味です。なので、SDGsは日本語で「持続可能な開発目標」と言われています。
(・・・持続可能な開発目標??やっぱりワケわかりません。)
持続可能な開発目標??
「持続可能な開発目標」って言葉、わかりにくいですよね。そんな日本語初めて聞きました、という感じです。それはどういう意味なのでしょうか。
一体何を持続するのか、どんな目標なのか、みていきましょう。
ここでいう持続とは、「人間が地球に住み続ける」ということ。そして開発とは、「より良い世界をつくる」ことです。
つまり、持続可能な開発目標とは、
「人間が地球でずっと暮らしていけるような世界をつくるための目標」
のことなんです。なるほど、わかりやすくなりましたね。
SDGsはなぜ、いつ決まったの?
なぜこのような目標が決められたのでしょうか。
世界には、貧困や紛争・テロ、温暖化・気候変動、資源の枯渇など、解決しなければならないさまざまな問題がありますよね。
「このままではいつしか人間が地球に住めなくなってしまうかもしれない。」
そのような危機感を持った世界のリーダーたちが集まって、世界が抱えている課題を整理し、解決策を考えました。それがSDGsです。
SDGsは、2015年の国連サミットで決められました。
SDGsには17の目標があります

SDGsは、2030年までの達成をめざす17の目標と、それをクリアしていくための169のターゲットから成ります。
ターゲットはたくさんありすぎてここでは紹介しきれないので、17の大きな目標のみを取り上げます。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
一旦まとめ
SDGsとは、
世界が抱える問題とSDGs達成状況

国連では、「持続可能な開発(SDGs)報告」というレポートで、世界全体のSDGsの進捗状況を毎年発表しています。
また、持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)という国連組織が、各国の達成状況を発表しています。
世界全体と日本のSDGs達成状況はどんな具合なのか、みていきましょう。
でもその前に、
世界はどのような問題を抱えているのでしょうか、まずは知ることからです。
いま世界で起きている問題
(ここで紹介するのはほんの一部だけです…。)

☞ 1日1ドル90セントという極度の貧困状態の下で暮らす人々は7億3,600万人(2015年)

☞ 全世界で8億2,100万人が栄養不良に陥っている(2017年)

☞ 年間540万人の子どもたちが5歳の誕生日を迎える前に命を落としている(2017年)

☞ 最低限の読み書きができていない子どもと思春期の若者が6億1,700万人

☞ 15歳未満で結婚した女性が世界に推定2億5,000万人

☞ 7億8,500万人は安全に管理された飲料水サービスを利用できていない(2017年)

☞ 8億4,000万人が電力を利用できていない

☞ 若者の1/5は教育にも仕事にも訓練にも参加していない状態

☞ 20億人はごみ収集サービスを利用できていない

☞ 全世界のCO2(二酸化炭素)排出量は1990年以来50%近く増大している
温室効果ガスについて、わかりやすく解説しています。☟


☞ 毎年800万トン以上のプラスチックがゴミとして海に流れ込んでいる
マイクロプラスチックについて、わかりやすく解説しています。☟


☞ 干ばつと砂漠化により毎年1,200万ヘクタール(日本の国土面積の約1/3)の土地が失われている

☞ 紛争下に暮らす子どもたち約2,700万人が学校に通えていない
世界全体と日本のSDGs達成状況は?
国連の「SDGs報告2019」と、SDSNの「サステナブル・ディベロップメント・レポート2019」から、世界全体と日本のSDGs達成状況をみていきます。
世界全体のSDGs達成状況について、「SDGs報告2019」では、
いくつかの分野において進展がみられている一方、複数の大きな課題が残る
としています。
極度の貧困は大幅に減少し、5歳未満児の死亡率は2000年から2017年の間に49%低下。

対応が最も急がれるのは、気候変動。温室効果ガス排出量を史上最大の規模で削減しなければ、今後数十年間で地球の気温上昇の幅は1.5℃に到達すると予測。
レポートでは、「海洋酸性化の拡大、異常気象、自然災害の頻発、土地の劣化、生態系の破壊など、その影響は壊滅的かつ不可逆的なものとなるであろう。」と指摘しています。
気候変動については、こちらの記事をご覧ください。☟

SDSNによる「サステナブル・ディベロップメント・レポート」では、国ごとに17の目標の達成状況を以下のように4段階で評価しています。
- 「達成できている」
- 「達成に近いが課題あり」
- 「課題が多い」
- 「達成には程遠い」
2019年版のレポートで日本が「達成できている」とされたのは、目標4「質の高い教育をみんなに」と目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の2つ。


逆に「達成にはほど遠い」とされているのは、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」、目標12「つくる責任つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」の4つ。




ジェンダー平等とは、社会的な意味合いから見た男女平等のことです。
みんなができるSDGs

「SDGsについて何となくわかってきたけど、目標が大きすぎてイメージできない。」「SDGsって国や企業が考えることでしょ?」
そう思いますよね。でも一人ひとりの小さな行動だって、それがみんなに伝わっていけば、やがて大きな変化を生みます。
自分に何ができるのか、日本ユニセフ協会がつくったこちらの動画が参考になりますよ。
キーワードは「エシカル消費」
みんなができるSDGsへの貢献のひとつとして、「エシカル消費」というものがあります。
英語のethicalは「倫理的な」という意味です。ん~、むずかしいですね。「倫理的な」消費とはどういうことでしょうか?
それはつまり、人や地球環境、社会のことを考えた消費のことです。
何を買うのか、何を食べるのかを「選ぶ」だけで、目標12「つくる責任つかう責任」のほか、たくさんのSDGsに貢献できてしまうんです。
では実際に、どうやって商品を選べばいいのでしょうか?
商品のパッケージに以下のようなマークがついているのをみたことがありませんか?

これらはすべて、人や地球環境、社会にやさしい商品にのみ与えられる認証マークです。
「働く人たちの生活を守る」商品や、「森と森に住む動物を守る」商品、「水産資源や環境を守る」商品だったり。
これらのマークがついた商品を選ぶことで、森や海の環境を守り、動物の命や人間の命を守ることができるんです。
世のため、人のため、地球のためになる消費
エシカル消費については、こちらの記事をご覧ください。☟

すごろくで楽しくSDGsを学ぼう

国連広報センターが提供する、SDGsのすごろく「ゴー・ゴールズ」では、子どもと一緒に楽しく遊びながらSDGsについて学べます。
サイコロを振って出た数だけコマを前に進め、SDGsの17の目標のいずれかのマス目で止まったら、クイズのカードを引きます。その他のプレイヤーがクイズを読み上げ、正解すればもう一度サイコロを振ることができます。
目標2【飢餓をゼロに】
Q. 世界で飢餓状態で暮らす人の数は減っています
-この文章は正しい、それとも間違い?
a) 正解
b) 間違い
正解は、a)
世界で飢餓状態で暮らす人の数は減っています。増えているかのように思っていましたが、実は減っているんですね。
遊戯盤、クイズはこちらのページからダウンロードできます☟
すごろくでSDGsを学ぼう | 国連広報センター
参考書籍
SDGsの基本、SDGsに取り組む企業について、エシカル消費やESG投資などのキーワードについて分かりやすく解説しています。ビジネスパーソン向けのSDGs入門書です。
参考サイト
- 持続可能な開発 | 国連広報センター
- やめよう、プラスチック汚染 | 国連広報センター
- SDGs 持続可能な開発目標 | 日本ユニセフ協会
- エシカル消費普及・啓発活動 | 消費者庁
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