「最近仕事から帰ってくるのが遅くて、満足に寝れてない…。」
「寝不足でなんだか頭がぼんやりする。今週末はガッツリ寝よ。」
あなたは毎日何時間くらい寝れていますか?
あるデータによると、日本人の平均睡眠時間は6.3時間なんだそうです。ちなみに、フィンランドの平均睡眠時間は7.9時間、フランスは7.3時間です。日本人がいかに忙しい毎日を送っていて、満足に寝れていないかがわかります。
しっかり睡眠をとらないとなかなか疲れが取れないですし、翌日のパフォーマンスも上がりません。
ということで、今回のテーマは「最高の睡眠を手に入れる方法」です。
睡眠不足は借金のように膨らんでいく

スタンフォード大学睡眠研究所では、睡眠が足りていない状態を『睡眠負債』といっています。
それは、睡眠不足は借金のように膨らんでいき、簡単には返済できなくなってしまうから。週末にちょっと寝だめしたくらいでは、睡眠負債は返せないんだそうです。
睡眠負債がたまるとこんな支障が・・・
睡眠負債がたまっていくと、日中のパフォーマンスの低下だけでなく、体調不良に陥ったり、深刻な病気につながることも。
睡眠負債があると・・・
- 脳と体の疲れがたまっていく
- 記憶が定着しない
- 肌が荒れる
- 太る
- 免疫力が低下し、病気になるリスクが上がる
- 脳の老廃物が除去されず、認知症のリスクが上がる
このほかにも、血糖値が高くなり糖尿病を招いたり、交感神経の緊張状態が続いて高血圧になったり、精神が不安定になりうつ病の発症率が高くなったり・・・。
睡眠負債がたまると、このように脳と体にさまざまな支障をきたす可能性があるといいます。
睡眠の質を上げる『黄金の90分』

そうは言っても、仕事や家事が忙しくて睡眠時間を増やせない。きっと多くの人がそう思っているはず。
著者はこのようにいっています。
『長く眠ること=良い睡眠』というわけではない。
睡眠負債を解消するために大切なのは、睡眠の長さではなく睡眠の質を上げること。そのポイントとなるのが、眠り始めの90分です。
睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠の2種類があります。
ノンレム睡眠は、脳も体も眠っている状態。レム睡眠は、体は眠っているけど脳は起きている状態です。
ヒトは、このノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しながら眠っているのだといいます。明け方に近づくと、ノンレム睡眠は浅く短くなり、レム睡眠は長くなります。

眠り始めの90分ですべてが決まる

眠り始めは、まずはノンレム睡眠でスタートします。その最初の90分間のノンレム睡眠こそが全体の中で最も深い眠りなのだといいます。
眠り始めの90分をしっかりと深く眠ることができれば、自律神経やホルモンの働きも良くなり、その後の睡眠リズムまで整っていくのだそうです。
著者は、この最初の90分を『黄金の90分』と呼んでいます。
たとえ長く眠れたとしても、最初の90分の質が悪いと残りの質も総崩れになってしまいます。
良質な睡眠のカギは『体温』にあり

眠り始めの90分を深く眠り、良質な睡眠を手に入れるカギとなるのが『体温』です。
深部体温(体の内部の温度)は起きているときに高く、寝ているときは下がっています。逆に、皮膚温度(体の表面の温度)は起きているときに低く、寝ているときは高くなっています。
この深部体温と皮膚温度の温度差が小さくなればなるほど、眠くなるのだといいます。

スムーズに入眠できるようにするためには、深部体温と皮膚温度の差をできるだけ縮めること。
そのために有効な方法のひとつが、寝る90分前に入浴することです。
『90分前入浴』で最高の睡眠を手に入れる
深部体温には上がった分より大きく下がろうとする性質があるといいます。入浴により上がった深部体温が元に戻るまでにかかる時間が約90分。
なので、寝る90分前に入浴を済ませておくと、ぐっと下がっていく深部体温と、入浴により上がった皮膚温度の差が縮まり、スムーズに入眠できるというわけです。
寝る直前に湯船につかると逆効果
入浴後すぐに寝たいという場合は、湯船につかることは逆効果となってしまいます。
なぜなら、深部体温が上がった状態で眠りについても、脳と体が覚醒してしまっているからです。
寝る90分前に入浴を済ませるなんてムリ・・・こんな場合は、シャワーで済ませたほうが良さそうですね。
参考書籍
科学的根拠に基づいたスタンフォード式 最高の睡眠法。
「好きなだけ寝ても、寝不足解消には3週間かかる」「こんな夢をみたときは要注意」「レムとノンレムは、90分周期じゃなかった」など、眠りにまつわるすべてが集約された1冊です。