台風情報をチェックしているとき、進路予想図の円がだんだん大きくなっているのを見ると、

「台風がどんどん大きくなって近付いてくる!」と思いませんか?
でも実は、予想図の「円の大きさ」は「台風の大きさ」とは関係ありません。では、円の大きさは一体何を示しているのでしょうか。
今回のテーマは、「台風の大きさと強さ」です。
「円の大きさ」は「台風の大きさ」ではない
台風の進路予想図の円は「予報円」と呼ばれるもの。
先の予報になるにつれて、円がどんどん大きくなっていくので、台風自体が大きくなっていくように勘違いしてしまいがちです。

でも、「円の大きさ」は「台風の大きさ」を示しているのではありません。
予報円は、予報された時刻に、「台風の中心が円の中にある確率が70%以上」であることを示しています。
つまり、「この円の中のどこかに台風の目が来る確率がかなり高い」ということ。
円が大きくなっていくのは、先の予報になるにつれて進路予想にバラツキが出るからです。
予想図の線は「台風の進路」ではない
予想図の線を見ると、台風が進むコースを示しているように思えてしまいます。
でも、この線はただ単に予報円の中心をつないだだけのもの。

台風の進路を示しているわけではなく、台風の中心は予報円の内側のどこにでも進む可能性があります(円の外側にはみ出る確率も30%ある)。
円の内側に入っている地域だけでなく、円に近い外側の地域まで含めて、より広範囲で注意が必要ということですね。
台風の大きさと強さについて

台風ニュースを見ていると、「大型で強い台風」とか「大型で非常に強い台風」という言葉が出てきますよね。
その「大型」や「強い」「非常に強い」というのは、どのくらいの大きさや強さを示しているのでしょうか。
台風の大きさ:「大型」「超大型」
台風の大きさは、強風域* の半径が500〜800キロメートルのものが「大型」、半径が800キロメートルを超えるものが「超大型」と呼ばれます。
東京から大阪までがだいたい500キロメートル、東京から広島までがだいたい800キロメートルです。「大型」や「超大型」がどれだけ大きいかがわかりますよね。
*平均風速が秒速15メートル以上の領域
台風の強さ:「強い」「非常に強い」「猛烈な」
台風の強さは、最大風速が秒速33メートル以上のものが「強い」、秒速44メートル以上が「非常に強い」、秒速54メートル以上が「猛烈な」と表現されます。
2019年10月に発生して、各地に甚大な被害をもたらした台風19号(ハギビス)の最大風速は秒速55メートル。「猛烈な」勢力の台風だったわけです。
参考書籍
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